ある朝

どうやら道で寝てしまったらしい。

若い警察官が、もしもし大丈夫ですか?

と聞いてきた。

人が倒れてるので、轢かれたんじゃないかと通報がありまして、と若い警察官が言った。

僕はどうしてこんな所で寝ちゃっているのか思い出せなかった。

2つ前の駅から歩いて来たのは覚えているけど、てゆうか何か調子に乗って走って帰ろうとしたのとかは覚えているけど、どうしてこんな歩道の脇の空き地?みたいな所で寝ちゃってるんだろう。

立てますか?

と言われたのですっと立つと、あっ、大丈夫そうですね、じゃあ、遅いんで気をつけてお帰り下さいと言われた。

はい、すみません、と言って僕は歩き始めた。

夜中の2時だった。

その時間の街は静かで、人なんて歩いてなくて、虫さえ鳴いていなかった。

自販機で水を買ってふらふらしながら歩いた。

夢の中で散歩してるみたいだ。

若い警察官が自転車で去っていくのが見えた。

僕もお酒好きなんでつい飲みすぎちゃうのはわかるんですけどね、お気をつけ下さい、と言っていた。

酔っ払いに共感してくれるなんて、とても優しい警察官だと思った。

家に着いて、何故かBaby Metalのギミチョコの動画を繰り返し見た。

踊れるのはかっこいいなぁと思った。

それから明け方になるとセミが猛烈な勢いで鳴き出して、短い命を叫んでいた。

気がつくとまた眠ってしまっていた。

朝、そんなことがあったと家の者に話すと、本当に轢かれなくてよかったよと言った。

父親は、まあそんな死に方もいいかもな、いさぎよくて、と言った。

僕も、そうかもね、と相槌を打った。

母親は、あんたは寒い外国じゃ生きていけないねきっと、と言った。

僕はまた、確かに、と頷いた。

二人は朝からギターを弾いて歌を歌っていた。

やんなっちゃう位、平和な光景だった。

僕は新聞に目を通して、今日も世界中で色んな事が起きているのを眺めた。

遠い世界の話すぎて、まるでフィクションみたいな現実。

僕らを取り巻く世界はいつも変化していてジェトコースターみたいだ。

落ち着いて何かを考える事もできない。

ところで僕はお腹が空いてしまって、目の前に置いてあるおにぎりに手を伸ばした。

ひどくおいしかった。

そんなある日の朝

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