「鳥」

午後2時の温かい日差しの中で、スズメ達が葉の無い木に停まり鳴いている。

鳥も、ある意味では世界を制してるんだよね。
人間は地上を制したけど、鳥は空を制してるから。
と、ある日先生が言っていた。

確かに、鳥は自分の身一つで空を飛び回れる。
人間も憧れたのか飛べるようになったけど、飛行機とかヘリコプターだ。
やはり重力に縛られている。
大体、生まれてこの方生き物は重力に縛られている。
それに対して鳥は、空を飛べるのだ。
重力に負けずに。

初めて空を飛べるようになった時の快感はどんなものだったろう。
初めて歩けるようになった時のことなんて覚えてないけど、きっと嬉しかったに違いない。
鳥も、何かのテレビでやっていたけど、雛が最初に飛ぼうとする時、木の上からジャンプする映像を見たことがある。
勇気を持って飛び降りて、懸命に羽をぱたぱたと動かす様子はとても可愛くて、一生懸命だった。
飛べないって事は、鳥にとっては生死に直結するだろうから、必死だった。
でもどこかの島にいる鳥は、天敵がいなくなってしまったら、そのうちに飛ぶ事が出来なくなってしまったらしい。
必要が無くなったら退化してしまったんだって。
ビートたけしさんがよく言ってますけど。

でも、最初に飛ぼうと思った鳥はすごいですよね。
「あれ?俺、飛べるかも」
とか思ったんですかね。虫とか追っかけてて。
ジャンプした時にばたばた羽を動かしたらふわっ、みたいな。
強く強く願ったんですかね、飛行機を発明した人みたいに。
地上に居て、食べられてく友達や家族とかを見て、
「地上のモンスター達の手の届かない所に行きたい!!」
と本気で思ったとか。

そして、ある時自分の才能を発見しちゃった。

そしたら毎日が楽しくて楽しくて仕方ないでしょうね。
来る日も来る日も飛び方を練習して、風の受け方を学んで。
羽の広げ方と風の流れにどう乗ればいいか体に刻み込んで。

実際、動物の身体感覚って凄いものがありますよね。
反射神経なんか異常に良いですし、立ったまま右脳だけ寝かして、次は左脳だけ寝かして、警戒しながら休息を取るとか神業ですよね。
異常気象の時なんかも第6感なのか、察知してたって話よく聞きますもんね。

でも人間はそうゆう所の能力はだんだん衰えていってるんでしょうね。
自然が発信してる情報には疎くなってるっていうか、他の人間が発信してる、言語化、映像化された情報ばかりに目が向いてるっていう感じでしょうか。
人間にはそうゆう能力がだんだん必要じゃ無くなって来てる生活をしてますもんね。

一方、鳥には、飛ぶ事が必要だったと。
おっとりしてる鳥はすぐ捕まっちゃいそうですよね。
だからやっぱ気を張って空を飛んでるんですかね。
鷹とかに襲われないように、蛇とかに卵を食べられないように。
人間も人間同士で争いますけど、やっぱ鳥も同類で争いがあるんですね。
動物も動物社会の厳しい掟があるんですよね。
人間なんかよりよっぽど厳しい、問答無用の弱肉強食という‥

でも飛ぶ事自体が楽しい鳥も絶対いますよね。
スピード狂の鳥とか。木と木の間をくぐる事が得意な鳥とか、のんびり旋回してるのが趣味な奴とか。
群れから離れて家出しちゃう鳥もいるんですかね?
「カモメのジョナサン 」じゃないですけど、悟りを開くみたいな奴とか。
イチローみたいな鳥が。

たまに、ガラスが見えなくてドンってぶつかって墜落してる鳥がいますけど、
ほんとごめんね、昔はこんなの無かったもんねって思います。
でももうちょっと注意して飛ぼうね、とか。
まあ、余計な御世話ですよね、鳥からしたら。
おっちょこちょいな鳥もいるんだよ!!って思ってるかも知れません。
こんな所にまぎらわしいもん作るんじゃねえよ!って。

そんな事を思いつつ、庭のスズメ達を眺めていました。
どうか、快適な空の旅を!!

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